日本文化大学は警察官に強い大学として評判です。
事実、去年の卒業生の3分の1は現役で警察官になりました。
合格率が10~15%と言われている警察官採用試験を突破するのはかなり難しく、
就職浪人をする方が何人も居るものですが、
日本文化大学の学生の多くが現役で警察官になっています。
しかもこの比率は最近になって急上昇しており、年々増加の一途を辿っています。
筆者の記憶が確かでしたら、
一昨年の合格数は全4年生の4分の1くらいだったと思います。
本当に最近になって警察官になる方が急増しているのです。
一方で、警察官にならずに公務員を目指す方も増えています。
去年は31名もの方が「警察官以外の公務員」になりました。
2つ合わせれば、半数の方が公務員になっていることになります。
今回は日本文化大学の学生が就職先に選んだ、
その他公務員について注目したいと思います。
【市役所職員・区役所職員】
役所職員の仕事ですが、大別して2つあります。
いわゆる、事務系と技術系です。
文系と理系の括りでも良いかもしれません。
事務系は「戸籍などの窓口業務」「ハザードマップの作成」
「花火大会などの運営企画」「福祉の相談」などなど。
技術系は「道路の設計」「建築に関する違反確認」
「都市計画の立案」などなど。
前者はともかく、
後者は土木関係の知識が絶対に必要となります。
日本文化大学は文系の大学なので、
職員として勤めるなら必ず事務系になると思われます。
日本文化大学のゼミにはハザードマップを作成するものがありますので、
割と適任かもしれませんね。
一方で都市計画の立案に関しては、
造園学や都市環境学の学問を修める必要があると言えます。
道路の設計に関しては完全に工学の分野と言えそうですし、
測量士の資格は確実に必要になるでしょう。
大学によっては卒業と同時に測量士の資格を貰えるところがありますが、
残念ながら日本文化大学は法学部なので、そのような恩恵は得られません。
もしも、日本文化大学の学生が技術系の職員になるなら、
独学で測量士、測量士補の資格を取得する必要があるでしょう。
去年の例を見ると、市役所職員になった方は7名、
区役所職員になった方は1名居ます。
それぞれ、八王子市役所、厚木市役所、春日部市役所、江戸川区役所です。
八王子市は日本文化大学がある場所なので志望することは自然ですが、
厚木と春日部と江戸川区はかなり遠いです。
江戸川区は23区ですが、
ちょっと進めばディズニーランドが見えるくらい東になります。
恐らく、厚木市や春日部市、江戸川区に在住していて、
電車で日本文化大学に毎日通っている実家暮らしの人たちだと思います。
自分が今まで住んでいた街だからこそ、その市役所・区役所を志望したと考えます。
【刑務官】
刑務官の仕事は全くと言っていいほど知られていません。
その理由は、ドラマや漫画などで
ほとんど扱われてこなかったからではないでしょうか。
仮に扱っていたとしても、フィクションとしての虚構で、
実際にそのように働いているとは限りません。
ムチでバシバシ叩くことは絶対にありませんよ。
ピーナッツバターで脱走されることもないです。
実際の刑務官のお仕事ですが、
受刑者の管理、警備、サポート全般になります。
悩みごとの相談も多々あるでしょう。
高齢の収容者も多く、投薬、配食、
入浴のサポートなどを行うこともあります。
また、警察官や医者と同様に24時間体制の施設になりますので、
夜勤もかなり多いです。
日本文化大学は去年、1名の方が刑務官になりました。
それも女性の方です。
と言うことで所属するのは女性の刑務所になります。
一部例外もありますが、大抵の女子は女子刑務所への所属になります。
【自衛官】
自衛隊と自衛官の違いですがまず、
組織に居る全員が自衛隊に所属します。
そして、階級を持つ方が自衛官と呼ばれます。
逆に階級を持たない自衛隊員は、
教官や事務官、防衛大学の学生などです。
国際法上では、自衛官は戦闘員として扱います。
(ただし、医務官と看護師は非戦闘員)
日本文化大学は去年、16名の方が自衛官になりました。
当たり前ですが、入隊1年目から教官になることはなく、
また防衛大学に入り直す方も居ません。
新人のペーペーとして、幹部候補生、
一般曹候補生、自衛官候補生になりました。
この「候補生」の文字がいつ取れるかは、本人の出来次第かもしれませんね。
【消防官】
子供のなりたい仕事ランキングで
「消防士」はトップ10に入ることが多いと思います。
何故人気か分かりませんが、
火という強大な敵に立ち向かう姿に
憧れを抱いているのかもしれませんね。
なお、厳密には「消防士」は職業ではなく階級です。
警察で言ったら巡査、兵士で言ったら二等兵に近いです。
説明が少し面倒ですがまず、
消防に関する施設で働く方は「消防職員」と呼ばれます。
そして消火活動・救助活動を行う方を
「消防吏員(しょうぼうりいん)」と呼びます。
本来子供は「消防吏員になりたい」と言うべきですが、
全く耳慣れない言葉なので、誰もそのように言いません。
また、警察官や自衛官という呼び名が主流になってきたことから、
消防も「消防官」という名称を公式な用語として使うようになったと言われています。
備考ですが、消防団員というのも存在しますが、
そちらは本職が別にある方が復職として所属しているものになります。
消防団員は地方公務員という扱いですが、採用試験を受ける必要がなく、
手続きを行って、消防団長に任命されることで、消防団員になれます。
いわゆる、街の火消しみたいなものです。
ほぼ完全にボランティアであり、日当0~100円というのも珍しくありません。
日本文化大学は去年、3名の方が消防官になりました。
消防団員ではありませんので、しっかりと給料が出ます。
ただし、消防吏員なのか事務職なのか技術職なのかは不明です。
一般的には消防吏員だと思いますが、もしかしたら事務系のお仕事かもしれませんよ。
ちなみに3名全員男性です。
男性の事務員はレアなので、やはり普通に火消しのお仕事かもしれませんね。
【警察行政】
警察官が外回りの労働力でしたら、警察行政職員は事務職みたいな感じです。
どちらも共に警察署で働くものですが、警察行政職員は一般事務のお仕事をします。
また、募集人数は少ないですが、心理カウンセラーのお仕事をやることもあります。
建築、機械、電気のエキスパートも募集していますが、
完全に工学の分野になりますので、日本文化大学の学生には関係なさそうです。
日本文化大学は去年、3名の方が警察行政職員になりました。
その所属先は警視庁(東京)と北海道です。
前者は普通に分かりますが、後者はもしかしたらUターン就職かもしれませんね。
コネとまでは言いませんが、地方の公務員受験はやはり土地勘や方言、
風習などに詳しくならないと務まらないと思いますよ。
【上記以外の公務員にはならないの?】
今回はあくまで去年の日本文化大学の採用例で見ただけですが、
上記以外の公務員になれる可能性は確実に存在するでしょう。
教員、保育士、裁判官、衆議院事務局職員、
入国警備官などなど、色々な公務員があります。
日本文化大学は法学部で、
しかも模擬裁判の設備を導入するほどの本格ぶりですが、
法律の道に進む方はほとんど居ない模様です。
筆者の記憶が確かでしたら、
一昨年にロースクールに進んだ方が1名だけ居たような気がします。
また、日本文化大学は教員免許を取得することが可能です。
中学の社会、高校の地理歴史と公民だけですが、教員になることも可能なのです。
しかし日本文化大学は教育学部ではありませんので、
そこまで本格的に教師を目指す方はほとんど居ないでしょう。
取れるからついでに取っておこうという感じかもしれませんね。
今年度の卒業生の中には、これらの公務員になる方も居るかもしれませんよ。