日本文化大学の多彩なゼミをご紹介

大学は本来研究機関です。
高校と違って知識を生徒に教えるだけでなく、
新たな発見をする場所となります。
それゆえほぼ全ての大学に研究室が用意されています。
ゼミのない大学などないでしょう。
もちろん日本文化大学にもゼミはあり、
様々な分野を研究しています。
今回は日本文化大学の各ゼミがどんなことをしているかを
紹介したいと思います。

 

≪有職故実≫
有職故実(ゆうそくこじつ)とは、
過去の朝廷や武家、公家の制度や習慣、
儀式のこと、および、それらを研究することになります。
日本文化大学の有職故実ゼミでは先人の教えを学び、
それを未来にどう活かすかを研究していきます。
過去と現代では法の在り方が
全くと言っていいほど関係ありませんが、
調べていくと現代に通じる部分もいくつか見つかります。
例えば、装束の色について。
冠位十二階では紫が最も高貴な色として扱われています。
中国でも紫は皇帝しか身に付けてはいけない色とされていました。
今でもそういった先入観が身に付いているかもしれません。
人間の感性はそうそう変化するものではなく、
古代の風潮や習慣を学んでいけば、
現代の実生活に何かしら役立つこともあるのです。
雨乞いの儀式だって調べていけば
科学的に意味のあることだと分かってきましたよ。

 

≪警察行政≫
日本文化大学は警察官になるための大学とも言われていますので、
警察の在り方や法を研究するのは当然のことかもしれません。
今の警察活動が本当に正しいのかも研究するかもしれませんね。
学者の本分は「まず疑うこと」にあります。
既存の常識をぶち破り続けることで、科学は発展してきました。
法律の分野も同様で、
間違っていることは積極的に改正すべきと言えるのです。
また文化的なことや常識的なことは常に変動していきます。
日本国憲法が発足されてから70年が経過しましたが、
恐ろしいことにまだ1回も改正されていません。
ちなみにドイツは70年で58回ほど改正。
アメリカでも6回です。
警察法が憲法と違ってきちんと改正されているのは、
しっかりと研究する機関が働いているからとも言えそうですね。
(日本国民の過半数が、日本国憲法が完成されているものと思い込んでいる、
というのも改正されない理由のひとつと言われています)

 

≪少年法≫
少年法は何度も改正されています。
14歳まで引き下げられたのはかなり有名ですよね。
日本文化大学の少年法ゼミでは少年法の在り方を研究します。
「なぜ14歳なのか?」「成人と未成年で刑罰を分ける必要はあるのか?」
「少年が罪を犯したらどのように更生させるべきか?」といったことを研究します。
そしてこういったことを研究する場合、
その少年の家庭環境や周辺環境についても調べる必要がありそうです。
昔はカミナリ親父が居て、悪いことをしたらゲンコツでしたが、
今はそういった親父が居ません。
躾をする人が居ませんので、
悪いことを悪いと認識できない子供が増えているのです。
日本文化大学の少年法ゼミでは
「少年が罪を犯すことを防ぐには何をすべきか?」ということも研究していると思いますよ。
その方法として少年自身をケアするだけでなく、
周りの環境を改善させるところからやっているかもしれません。

 

≪スポーツ行政≫
警察関係とはちょっと違いますが、
日本文化大学のスポーツ行政ゼミでは
スポーツの取り組みについて研究しています。
国や自治体がどのようなスポーツを推奨し、
どのように資金援助しているのかを
検証・考察していると思います。
スポーツは心身を鍛えるのに有用であり、日本の小中高では体育が必修です。
そして自治体によってどんなスポーツに力を入れているかはかなり差があります。
一例を挙げるなら、静岡県は少年サッカーが多いですよね。
2019年にはラグビーワールドカップが、2020年には東京オリンピックがあり、
スポーツ行政のお仕事はかなりありそうです。
日本文化大学のスポーツ行政ゼミの研究も何かしら役に立つかもしれませんよ。

 

≪文化景観≫
文化を守ることは重要です。
日本文化大学も本来は文化を守るために作られた学び舎になります。
人間が人間足らしめるのは文化と言われており、
古い文化と新しい文化を同時に守ることで人間社会は発展していったのです。
日本文化大学の文化景観ゼミでは人類が築いてきた文化景観をどのように活用し、
どうやって保護していけば良いかを研究します。
また、補修することも研究課題のひとつ。
先の地震で熊本城が一部崩壊し、それをどのように修繕すれば良いかを
日本文化大学の文化景観ゼミは考えていたのではないでしょうか。
世界遺産登録のための活動もしているかもしれませんね。

 

≪現代経済政策≫
日本文化大学の本質から少し外れますが、
現代経済政策ゼミはその名の通り経済政策について研究します。
アベノミクスやユリノミクスなどの政策が
どのような影響を世界に与えるかを考察していると思います。
TPPや脱原発など、経済が関わる政策は非常に多いです。
むしろ経済が関わらない政策など皆無と言ってもいいかもしれません。
日本文化大学の現代経済政策ゼミはかなり責任重大なことをしていると言えます。

 

≪国際法≫
国が国として成立する条件はいくつかありますが、
そのうちのひとつに「他国から認められる」というのがあります。
国を作る場合、他国の存在は決して無視できないものなのです。
日本文化大学の国際法ゼミでは国際関係の法律を学びます。
国際法はもちろんのこと、
国際人道法や国際刑事法なども研究しているでしょう。
法律というのは国によって異なるため、
その橋渡しとなる国際法が必要なのです。
もしも国際法が無かったら、別の国に逃げたもの勝ちになってしまいます。
国を転々として盗みを行うルパン三世を追うには、
国際法といった規則が必要となるのです。
多分、日本文化大学のゼミの中で
最も外国語に詳しいのはこの国際法ゼミだと思いますよ。

 

≪憲法≫
警察行政ゼミの項でも言いましたが、憲法はまだ1度も改正されていません。
しかし「解釈」だけは度々変更されています。
例えば、内閣総理大臣やその他大臣は
「文民」でないとなれないと憲法に書かれていますが、
この文民の定義が変更されていました。
1965年までは「自衛官は文民である」としていましたが、
その年を境に「自衛官は文民ではない」とされ、
自衛官の方も大臣になれるようになりました。
憲法の文章自体は変えていませんが、解釈は度々変更されてきたのです。
日本文化大学の憲法ゼミではこういったことを討論します。
解釈は時代によってかなり変動しますので、
今と昔では憲法の中身がかなり違っているかもしれませんよ。
かなり先の未来になりますが「宇宙軍」はどうなるのでしょうか?
憲法では「陸軍・海軍・空軍」のことしか書かれておらず、
宇宙船を使った軍隊はノータッチです。
多分「宇宙軍は空軍に含む」といった解釈をされるかもしれませんが、
こうした解釈の変更ばかりしていると、憲法の存在意義が失われてしまいます。
そういった意味でも憲法を改正する必要があるのです。

 

≪おわりに≫
他にも日本文化大学には法心理学ゼミ、日本法政史ゼミ、
スポーツ政策ゼミ、政治学ゼミ、刑事法ゼミ、民法ゼミ、教育行政学ゼミ、
家族法ゼミなど総勢17のゼミを用意しています。
これらのゼミ目当てに日本文化大学に入学する方は居るかもしれませんね。
海外ではゼミ(教授)目当てに大学を選ぶことは半ば常識ですよ。
偏差値だけで選ぶのは日本くらいではないでしょうか。

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